おむつなし育児とEQ

EQって何?】

東京大学やハーバード大学、誰もが知っている名門の大学を出ていても、その卒業生のある一定数は必ず社会に出て成功できない。
この事実に興味を持った研究者が社会で成功するためにはIQ以外に必要な能力があるのではないか、と研究を始め、その足りない能力をEQと定義づけました。

EQは「心の知能指数」と呼ばれます。

あなたの周りにこんな方はいませんか?

学歴は高いけれど、コミュニケーション能力が低く、会話にズレが生じてうまく伝えたい内容が伝わらない。結果、仕事内容の重要部分が抜け落ちてしまう人。

仕事のスキルは高いが、上司部下とのコミュニケーションが下手で、人望がなく、出世ができない人。

社会的に高い地位にいるが、欲望をうまく制御できずに私利私欲に走ってしまい、社会的信用を失う人。

どなたもとても素敵な能力を持っているのに、うまく活用できない、今一歩のところで惜しい方です。
この方達に必要なものはもしかして、EQではないでしょうか?

EQを上げればIQもあがる!】

実はEQを上げることでIQはおのずとついてくる、という研究結果があり、これは教育界では周知の事実です。IQばかりを上げても、EQは上がりませんが、EQを上げれば確実にIQは上がるのです。だとしたら、親が子どもにすべき始めの教育はEQ教育ではないでしょうか?

【どうやってEQを上げる?】

EQは簡単に言うと人と人とのコミュニケーション能力です。中でも大事な部分は「自己制御力」「他者への共感力」だと私は考えています。あまり好きな言葉ではありませんが一般に「空気が読める」ということもこの一種だと思います。ではこの自己制御力や他者への共感力、どうやったら上げることができると思いますか?

ここで考えてみてください。あなたが人の事を思いやり、他人に親切にしてあげたいとき、何を考えますか?どうしたら相手が喜んでくれるだろう、と相手を自分の事の様に置き換えて考えませんか?「私だったら○○をしてもらったら嬉しいから、相手もそうかな?」とか、「私だったらこんな時に話しかけてもらいたいから相手もそうかもしれない」と判断しませんか?まず大事なのは「自分をわかる力」です。自分の事が理解できないと相手の事も理解はできません。

さて、赤ちゃんは産まれてからすぐには自分の事がよくわかりません。不快や快に従って泣いたり笑顔を見せたりします。それがどうして不快なのか、快なのかは理解をしていません。ではどうやって理解をするか。それは不快が快になったときに満たされることで理解をしていきます。

赤ちゃんの不快を快に変えるのは殆どの場合お母さんです。

赤ちゃんを十分に満たすことと、十分に寄り添う事、赤ちゃんの事を赤ちゃん自身よりもわかってあげることで、やがて自然と赤ちゃんは自分の事をわかることができるようになります。

【おむつなし育児にできる事】

おむつなし育児をやったお母さん、お父さんが口を揃えて言う事のひとつ、「赤ちゃんの事がすごくよくわかるようになった」という言葉があります。おむつなし育児をすると赤ちゃんの事がよくわかるようになるのはなぜでしょうか。

実はおむつなし育児をやると、赤ちゃんの排泄感覚を知りたいと思う事で自然と排泄感覚だけではなく、その他の色々な信号をキャッチすることができるようになるのです。「親の感度」というものでしょうか。それがどんどん研ぎ澄まされて、自然と目を離していても排泄感覚がわかるようになる方もいます。

排泄感覚だけでなく、快、不快の原因、感情の変化がよりわかるようになることで、赤ちゃんとは非言語のコミュニケーションを交わすことができます。それにより、赤ちゃんは親にわかってもらえる安心感と自分自身をわかるようになる事で「自己制御力」「共感力」を高めることにつながります。

実はおむつなし育児をやっている保育園での調査で、園児たちの「自己制御力」と「共感力」が全国平均値の数倍にも高まったというデータも存在します。

おむつなし育児は産まれてからまず最初に赤ちゃんのEQを高める最善の方法なのです。

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